忘れた頃に

雨に濡れて遊ぶ子らを
掴まえてごしごし

可愛いたら瓶に入れて
甘く抱き合って
氷砂糖

三日坊主?
いやいや、そんなんじゃダメだ
まだまだ青い

じゃあ一ヶ月?
うーん、それでもまだまだ
しわしわになるまで、
うーんと、待たなきゃ



立派な梅酒が出来ました

スキヤキ

小走りの朝に
とんとん
まな板を叩く
今日の天気予報に
不安を覚えても
仕方がない
家を出る
新しく、緩やかな生活
そうだ、今日は
すき焼きにしよう

寿司

子供の時に食べたお寿司も
大人になってから食べるお寿司も
どちらも美味しい
お寿司一貫の重さは
その時々の経済や資源にも寄るけれど
晴れ晴れと、惚れ惚れとする
へい、らっしゃい
あがりもがりも
行き届いた店内も
たまたま隣に座った
おじさん、おばさんも
嬉しそうに寿司を食う

食む

葉書に収まる分量の言葉で、
と思いながら、
朝食の支度

今や、こことの距離、
強い言葉は
なるべく控えて

引き出しに収まる食器のように、
必要な時に取り出せる、
そういうものを、とも、
思いながら

同じところを
いつも開きすぎて
日に焼けてしまった
ページのような
味わい出せるように、
パンを食む

サラダボール

継続は変化
昨日には無かった
記録の更新だ
持続が本質で、
無論、熱量も必要だ
靄がかかり
言語未満の宝石が
散りばめられている
サラダボール
ハイスペックな朝を
昨日の響きに託して、
今日を変えることに、
願いをかける

熊本市一景

周遊していくバスを眺めながら
アイス片手に日陰で涼む
プロレスラーが闊歩する
特別な日に、
私たちは北西へ

小さな丘の上からみる
街並みは、
ビルの窓からみるものとは、
かなり違って、
風も旅人を労う

見習いホトトギスと、
育ち盛りの子供の声のほか、
音のない豊かな静けさに
身を委ねながら

はちみつ入りのアイスが
美味だった

信じる人達

落ちきった
砂時計の砂は
しな垂れて
気だるい
だが、目を瞑っていても
逆さまにすれば、
また、
朝と同じように
元気よく、
滑走する

人もただ、
流転していて、
日々ひっくり返されながら、
少しずつ容器全体が
アップデートされているのなら、
損なわれず、
いつまでも、
元気の良い営み

そういう規範に生きて、
疑いが微塵も差し込まれずに、
本当に信じきってしまった人達の観る、
世界と言葉は美しい

カンガルー

ああ、カンガルー
アカカンガルー

ああ、カンガルー
アオカンガルー

ああ、カンガルー
キカンガルー

3頭揃えば、
夢かまぼろし

野鳥の油絵

旅先で出会った野鳥を
油絵に書いてくれる人に出会い
頂いた絵を持ち帰る

その絵を飾るところを
探していると
思いがけないところに
落ち着いて
部屋の様子が急に変わる

晴れの日は
晴れの日なりに
雨の日は
雨の日なりに
歌う

引越し先の新しい戸棚も
段々と落ち着いてきた様で
やはり部屋全体を引き締める

窓ガラス越しの曇り空を背に
今日も飛んでる

南方の夏

動かされぬを、
動かす力に
晒された葦の忍耐

燃焼していく
脈管の騒乱は、
晴れのための
水やりか

南方の夏は
深々と、
夜風を遊び

集約して、充実して
喜びは滴る