ビンの中の空間概念

ビンの中の空間概念
手で触れそうな詩人の髪に
そっと手を伸ばしてみると
彼女あるいは彼は、
一枚の紙の中に戻ってしまって
残り香だけが部屋の中に残される
そうして私たちは
自身が部屋の中にいることを思い出して
はっと驚くのが常である
今日も昨日やその前の
「日常」
と同様の日々が続くつもりで
玄関の扉を開けて
うじゃらうじゃらの
生活と呼ばれる一連の所作を
世界にて行い
また家に帰ってくる
もしもある瞬間に
ふっとため息をつけば
そのため息は
ビンを構成するガラスを曇らせ、
人間がビンの内部にいることを
知らせてくれる。

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