戦争の扉

宙に浮いた扉をあけると
扉の向こうには空
そこへ向かって
一歩を踏み出そうか
どうしようか迷っていると
こちら側は真っ暗闇
一歩を踏み出して
真っ逆さまに落ちるのも嫌だし
一歩を踏み出さずに
暗闇に引きずり込まれるのも嫌だから
仕方が無いので
頭から扉に飛び込んだ
そうすると
私は俺に
俺は私に変化して
いつしかそこは戦場
俺あるいは私は
馬上の一兵卒で
状況を飲み込む間もなく
その変化を受け止めて
スイッチが切り替わる様に
他の兵士と同様
右手に槍を
左手に盾を持って
馬を前に駆り立てた
いくらか進むうちに
冷静になって
敵はどこにいるのかと訝しがる
そして
敵なんてものは
はじめから存在しない事に気付く
この戦争は
王様がこしらえた
架空の敵に向かって
どんどんどんと
架空の命をぶつけていくだけのものだった
そうしてふっと
目が覚めた私の頬は
涙にぬれていた。

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