独楽

一斉に回り始めたコマは
お互いに近づき
チッチッと音を立てて
ぶつかり離れる
見守る人、
境界線の無い
白く澄んだ空間に
コマ達はおどる
いくつものコマが回る中
ふと、周辺に目をやると、
ゆらゆらと
その軌跡が不安定になり
回転をやめようとする
コマがいる
しばらくみると、
止まる直前に
大きく軌跡を外れ、
周りでおどるコマに
ぶつかり止まった
いくつもの年月を経た観察の後
残っているコマは減った
雨の雫が落ちて
わずかに、少しずつ
コマは回転を止めて
何も無い空間に落ちた
コマは寄り合う様に
地下で肩を寄せる
回転している間は
自らの軌跡を示すのに
一生懸命で、
他のコマが触っても
はじくばかりだったが、
回転を止めてみると、
ぶつかる相手、
肩を寄せ合う相手をみつけられた
安定しているようで、
その実
目が回っていただけなのかも知れない
閉空間の無限に架かるコマは
いつしか数えるほどになっていた
コマは踊り続ける一方
自らの針を地面に刺し続けた
見知らぬコマに愛着をみいだしているし、
ぶつかっても止まらぬコマに出会ったコマは
逆に勢いをましている
コマは独楽として知られているが、
必ずしもコマではないだろう

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