防人

海に浮かぶ島を守るのは
小さな少年が書いた防人
左手に槍を掴み
心には矜持を持って
彼の奥行きは
落書き帳の厚さに
等しいが
そのまなざしは
島とその周辺の海域に
くまなく届く
多くの場合、
静かに光る波と
カモメが羽を休め、
ヤギは草をはんで、
自分こそが
島に最も貢献していると思いながら暮らす島民とともに、
平和に暮らしている
時には
風が暴力的になり、
島の容れ物ごと
ごちゃごちゃにかき混ぜられるような
そんな日もあるが、
そういう日も防人は
まなざしを注ぎ続ける
最近、彼の島の周りに
見知らぬ船が
あらわれるようになった
どうやら船同士で
言い争いをしている様だが、
よくは聞こえない
自信を持って島を守ってきた
防人としては
些か不快なそれらの船ではあるが、
防人は
それらの船に対して、
紳士的に
対応していくつもりだ
彼を描いた
少年のように

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