海風

葉の隙間からみえるのは
黒に塗りつぶされた
美しい瓦屋根
書院の天井は
どこまでも続いていく
青空
己の知らぬ間に
時間は過ぎて
いつしか歳は
周りの人に
追い抜かされ
妹は姉へ
弟は兄へ
小さく手をつないでいた
幼い人達は
今では私に道を示してくれる
長老達の寄り合いで
話し合われた事柄は
仕方ないと言いながら
収奪を肯んずる
ほしが落ちて
空がゆがんだ後の
魚の逆立ち
けれども
そっと息を吐けば
乾いた浜辺に
波が押し寄せ
島の輪郭を
優しくにじませる
なじんだ手の感覚は
大きくなって
生命をつくる
その子らの居心地に
確かに含まれていて
波は静かにもう一度
打ち寄せていく

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