加速

想像を停めたバス停の
座っている乗客の膝には
いつもの湖面
日食は
歌に形と命を与える
すり減らしていったブレーキは
もはや速度を緩めない
急な展開に
行き場を失った速度は
鋼鉄の柵を通り越す
強烈な衝撃
高度4万メートルに飛び出して
いつの間にか
背中から羽が生えて
ふわふわと飛んでいる
覚せい剤の無い
夢の中の世界では
観覧車が猛スピードで回って
スペースシャトルが地面に突き刺さる
血で濡れた盾から
最低限が強奪されて
己の影が伸びて
頷きながら
両手を伸ばす
もう一度だけ、
と言うと
行き場を失った速度が
地面に叩き付けられて
砕けて死んだ

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