空に響いて、晩御飯

百年後やその先に
人が困らないためのもの
続いてきたもの
伝えていくもの
少しずつ変わるもの

突き詰めるなら
明日誰かが困らないために
何が出来るか
土に根を張り、
落ち着いて前に進む

飛ぶことを願って
飛べない折られた鶴も
手の残りと、続く想い

千の手や
座して、留まり続けることも
出来ないが、
人がつく鐘の音は、
空に響いて、晩御飯

景勝地

意趣や意匠より
そばにある素が
一番美しく、
落ち着きを感じられる

今この瞬間に
ここにいて、
どこかにいて、
実在、確かなこと

仮想したテーマの
装いは新たに、
蓄えられた想いと願い、希望は、
必然として、はぜる

段階を経ることを大事にしたいフクロウと、
翻弄する陽の光

救われて、
もしくは、”救われて”、
装い、繕い、這いつくばって進んだ後に出会う
どうしようもないほど、
自由で、制御することのできなくて、
涙が出るほど美しい
景勝地

今日も楽しかったなと、
眠りについて、
また明日

ライオン

美しい絵画の向こう側で、
どきどきしながら客の反応をみている人

理念の世界と風雨、雷
一歩歩むことの身体的な重さを測る秤は、
どこにあるのだろうか

音や光を伴なわないロケットは、
それでも打ち上げられて
いつしか人の世の間に広まっている

曖昧さは、無意識になれば、
時に暴力的だが、
それはやはり、刃に似たもの

枷としての伽は、
雨が降った後の川に流れて
けろんけろん

祀り

怖れをなくしたら
何ができるだろうか

前に進むこと
戦うこと
逃げること

どういう道を進むにしても、
自分一人の世界から抜け出すには、
他者のことを思う

限られた時間を
どういうことに使っていきたいか

祈りか、
あるいは、虚脱

道楽の後の祀りは、
それでも、
実践しているようで、
支えられながら、
遊んでいる

小さなゴールと、歩くということ

生まれて
泣いて
抱かれて
這いつくばって
転びながら
よたよた歩きが
出来て
また転んで
泣きながら
大勢の人に助けられて
歩いて
小さなゴールを
同じように
積み重ねてきた人
過去に経験した人
もしくはペットと
やっと一緒に歩けた

そういう成功体験を忘れて
大きなこと
“意義”のあること
影響を与えるようなもの
そんなものばかりに
目を奪われ
足を掬われ
倒れこみ
泥水をすすり
そうして
心が腐る様な言葉ばかりを吐いて

そうではなくて
もっと一歩一歩
本当にわずかな、小さな
ゴールを決めて
何週間も
何ヶ月も
何年も
そうしてようやく
歩けるようになったから
また、新しく歩くことも
それくらい時間がかかるかも知れない
だけど、いつか必ず
また歩ける

双葉

久しぶりに会った
双葉は、
時間の経過を経て
付かず離れずの距離で
再び重なっていた

日々の手付かずは
どれだけ経っても
増えていくし
同時に、思い出も増えていく

以前には
気がつかなかった
機微がそこにあって、
ふわりとした不和も
またひとつの
遊びか

模範の痕跡は
昔からそこにあって
進みつつ、成熟して
今もここへ

特別な日

私たちにとって特別な日に
日々の雑務
喧騒と暑さと不安を
頭に染み込ませる装置に囲まれながら
生きることが
それほどリスクではないし、
逞しさや頼もしさを
兼ね備えた人たちが多いから
安心できる、そんな国

– 煽る人は、
一番、自分自身を煽っているのだ –
というような警句めいた
makeをみせて、
小休止

有事と休止に乗じて、
そっと手を取ることができる人、
ぶつかる人、
支える人、
支えたい人、
支えなければならない人

連環の中で、特別さは
変えられないし、還れない
変化しつつ変わっていく
名前を忘れている人にとってさえも
特別な日々が
どこにでもありふれて
築かれている

軽さ

軽い力で大きなものを
動かすための細さと軽さ
それを携えた馬が
空気を踏んで進む

夜の足音は
昼間を駆ける原動力になって
私から貴方に
大切なものを運んでいく

澱みだろうか
いや、時局が変わっていく瞬間と
変わった後の間には
燃焼していく人の光

俯いた目線ではなく
目線を意識しなくなった
自在と自由が
思いやっていくお地蔵様に
助けられて、また、
助ける人の心得になる
そのような流れのある日々の
有りがたさ

名乗り

名乗りは、
繰り返しを禁ずる

けれど、積み重なる
日々の力に繋がる

その一歩を
踏み出すまでの時
旅も居眠りも
良いだろう

その末に漸く
名乗る季節が訪れれば
巡る季節は
消えるから