花火

鉛筆で
画用紙に
線をひく
願いを込めて
静かに
美しく
泳ぐ
人の優しさを伴って
エコロケーションで
語り合えば
とけ込んで
自他を区別する必要のない
暖かさ

守られるべきもの

普段の生活を
余裕なく、刻み
突如あらわれた
今、ここにある悲劇を
蚊帳から追い出す
思い通りにいっているという
つくり笑いを
テレビで見ながら
、吐く
汚染されたのは
自然
駆け回っていた人達
普段
、心

熱したコンクリートを
海へ流し
ジュゴンを埋める

心は蹂躙されている
境同性は
、狭い
、とても
偽りの共同体を
応援するのは誰か
何か、何故か
境界を、
守らなければならない
誤らないために

、守られるべきものを

自立性

自立性を制限しないと
他の自立性はみえない
干渉している自立性を
外してみないと
本来の自立性はみえない
あらわれているのは
本性として訴えかけるものなのか
気づかないことの反作用ではないのか
見掛けの静けさだけでなく
深々と雪が積もるように
壊れやすい硝子細工に触れるように
自立性、あるいは
隠蔽、剥奪されている、乱されている自立性の内に
存在を存在として
必要ならいつまでも座り続ける心構えで

たま

色や形
大きさが
ばらばらの珠を
糸で括って
ポケットに
入れようとするとき
ひとつの珠が
こっそり
床に落ちた
どこまでも
転がって
ピカソの海も
通り過ぎて、
海の水が
流れ込む穴に
ぼちゃんと
落ちて
ぶくぶくと
水にもまれて
もとのテーブルに
戻った

減少

してほしかったことを
やっていることに
気づいて
言葉と香り
祭りの最後の
花火
窓際の水さしと
街を離れた森に
吹く風と
足の先から頭の先まで
しびれたような
酔いを運んで
真夜中過ぎの
音頭と
踊りが
探らず
察せず
減少する
何をか

ミルフィーユ

ものの感じ方が
一生の間に
一つ深まる
そういうことが
少しずつ
繰り返されて
丸みを帯びる
纔かずつ
時間を積み重ねて
それは
ミルフィーユのような

厳かさ

足下に横たわる
厳かさよ
時に
視線を注ぎ
時に
声をあげる
緑色の芝の上を
太陽の光を
身に受けながら
駆け抜けて
こんな風に走れるのは
どう、すごいでしょう?と
挑戦的な目を
時に
みせる
泡沫なら
一回の跳梁
いつまでも
隣に

もや

海に
波がたったら
コーヒーカップをおいて
一つ息をはく
サラダの葉っぱは
スプーンですくう
いくつかの声が重なって
重なりすぎて
重くのしかかっているのなら
静かな場所で目を閉じて
十を数える
ひいふうみいよう
いつむうなあ
心から此処は
遠くもあり近くもあり
緊張がほぐれて
残った音のもやがとれる
析出

無題 4

深い青の澱みを
蜘蛛が歩く
のそのそ
誰かの気配に気づき
目隠しに隠れる
こそこそ
一昼夜の契りの後に
雲が霽れて
気持ちの良い風と
濃いめの珈琲

火は拡がり
制約を超えて
色はつながり
記憶と妙
お能の劇場の裏の
路地裏で
鳴る拍子木
他を容れるため
無辺も暖まる
柏手を打てば
七福神も
ほくほく
途切れぬ紫色