日巡り

連れ添って歩く日々は
とても楽しく
ただ日を巡り、経ることが
嬉しい

些細なことを
決定するための
一つの相談

柔らかなアイデアで
出かけた先の
思いがけない
出来事との遭遇

移り住んで
新しく始まった
日巡りは、
驚くほど鮮やかに
包まれて、
守られている

Anticipation

一つ円を書いては
伏して絵空事
子供の様な憧れの満ちた
葦であり続けることを

竜も穏やかな呼吸で
花の香を嗅いで
羽ばたくときには
周囲を気遣う

人知って、人知れず
入れなくなってしまった恩寵も、
いつでも、
手入れする人を、待つ

同じ瞬間に、同じ現場で

晴れた日に、
激情とか、熱情とか
表面をなぞるような
心の波を
一通り遊んだ後は、
浜辺で横になり、
波を眺めながら
風を感じてバカンス

右手には、
果物がのった
お洒落なカクテル
左手には、
拍動する自らの心臓

大げさな波に
揺られている間にも
時間は、刻一刻と過ぎる

日常の何気ない息抜きも
心臓をさらす緊張も
同じ瞬間に、同じ現場で

金貨を賽銭箱へ

一人で進むことの
狭さが伝染して
息苦しくなり
窓を開けて
深呼吸をした

すっ、すっ、すー、
はぁーっと

森の奥にある
心落ち着く場所で
暴風雨をやり過ごした

そうして、汚濁を吐き
自由な時間から取り出した
金貨を一枚
賽銭箱に入れた

種のよう

泥水を踏みしめて
例えば、しぶきが
口に入っても
進むことが、
もっとも自分を喜ばせて
止まることは、
もっとも自分を悲しませることだと
知る人達からの応援
そういうものが
苔に水が染み込むように
素直にすっと
体に入ってくるのに十分な
垢を落とした後の行
ポケットに忍ばせた
密かな誓いのメッセージは
植えたばかりの
種のよう

Kasa jizo

思いがけず
やってくる幸運も
何もないところから
訪れることはなく
歩いてきた道すがら
声をかけられて
撮られてきた写真を集めた
アルバムに似ている
発熱している体を
雨風にさらして歩く
笠地蔵様も
言葉を捨てて
誰かの願いと、
自分の願いを、
一致している

花飾る人

昨日完成させた絵は、
愛着や喜びを与えてくれる
だが同時に
視線は次に向かっていて
また、
良いことを思いつきたい
そういう気分で日々を過ごす
欠乏しているからではなく
むしろ、
満たされているから
一瞬ずつ進む雰囲気
晴れていても、曇っていても
雨や雪が、降っていても
ふとしたときに目に止まる
美しく可愛いらしい花々を
さりげなく部屋の隅に
飾っていてくれる人の
心遣いを

day by day

日々浮かぶ
言葉の中にどれくらい
誰かのための言葉があるか
あるいは、自己のためにも
一番いけないのは
ただ意図なく、再生される言葉
単に誰かの共鳴箱であってはならない
自身の想いや願いにフォーカスを
流れる河と共に暮らすのは
創意工夫をしている人達であって
河自身ではないのだから
人や子供、
夢、未来を想うことへ

きれいごとの最中に
笹の葉を掬いとろうとする手が
忍び込み、あるいは差し込まれても
ただ想い続ける

時には、息を整えじっと座って、
その後のほっとした瞬間に
避難したりしながらも
ただ想い続ける

未踏

道具や標語ではなくて、
ただのpassionによって駆動され
形作られるもの
計画的に意図的に
安定した生産ラインにのって卸される
そういうものとは無縁の形式
不安定が美徳で
けれど、それは規範ではなく
あくまで結果で
信じられるものは
その人の真心
ゲームの勝者になりたいとか
ルールに適応してみたいとか
そんな言葉は
味気ないから
そっけなくて
ただ
それをやりたい
それをつくりたい
それになりたい
もはや結果は問題でなくて
どうしてそれをやりたい?
どうしてそれをつくりたい?
どうしてそれになりたい?
とか、理由付けは野暮なもの
そうして行き着く先は、未踏

発火点

生き急いだ先に待つのは、
行き止まりではない
次のゴールと
そこへ向かうための
何度目かの、
スタートがある

分け入った先に
更なる山をみた先人がいるように
達することで、
私たちは、
どこにも、だれにも、
強制的に歩みを止められることはないし、
その必要もない

進みたい、
進めたい、と思う熱情は、
予定調和の外に
行くための資格で、
手に入れた地図や
昨日作った旅のしおりは、
むしろ枷なのかも知れない

歩き疲れた体や
後ろ髪を引く、
時折届く手紙もあるが、
どういう状況においても、
思い続けること
それ自体が、
発火点