夕闇隠れ

詩の雨が降って
からからと降り積もる
心の鏡から
ひとつの尊さが
ゆらめく
きっと明日
夢の終わること
叶わなかった願いの
深く、深く
どこへも辿り着かないところに
落ちていくこと
けれど
生きられないよりは
むしろ
魂に薪をくべ
燃やす
紫陽花も
花火も
蛍のゆらめきの様な
口づけに似た
たまゆら
総督府の荘厳さは
朽ち果てて
廃墟の埃は
叫ぶ声を失った
強い願いに
月の光を注ぐ
紅色のこうもり傘が
石畳を渡る人の
肩にかかって
そっと
秘かな思いは
夕闇隠れ

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