Quartet

咳をして
呼吸を整えるとき
頼りない笛がなるような音を聴く
力強く立っていた片足立ちの人も
どういうわけか
膝の上まで
夜の池の水面が浸っている
彼の人は
けれども諦めていなくて
以前よりも深く
光を捉えた眼をしている
人を在らしめているのは
繰り返されつつ
日々更新されつつあるもの、
あるいは
都合に応じて
文脈を取り替えられたものでもなくて、
行為の履歴
そういったところに本質があるように思う
虚偽もなく
不信もない
有りさま

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